青島市の特殊労働時間制の管理にかかる新たな変化
Q.当社は、青島市に設立した日本独資のメーカーです。一部の従業員のために特殊労働時間制(総合労働時間制及び不定時労働時間制)の適用を申請したのですが、青島市では最近特殊労働時間制についての新規定が公布されたと聞きました。特殊労働時間制にはどのような変化があったのか教えてください。
A.ご理解いただいている通り、青島市の人力資源社会保障局より2016年6月20日付で『青島市における特殊労働時間制に関する審査認可管理弁法』(青人社発[2016]9号)(以下、『管理弁法』という。)が公布されました。『管理弁法』はこれまで施行されてきた『青島市における特殊労働時間制の審査認可管理の試行にかかる弁法に関する人力資源社会保障局の通知』(青人社発[2014]6号)をもとに、適用範囲の拡大、法的責任の補足を行ったものです。具体的には次のような内容となっています。
1. 不定時労働時間制を適用できる職位の範囲を拡大
① 会社の総経理、副経理、財務担当者。
② 賃金を年給制で支給され、自ら勤務、休憩の時間を調整できる管理職。
③ 会社が実際に支給する年間賃金額が、前年度における青島市労働者の平均賃金の3倍以上であり、かつ自ら勤務、休憩の時間を調整できる管理職。
④ 臨機応変に勤務することが求められる職種で、従業員が業務上の必要をみて時間を調整することを許めている特殊業務形式である運送、積卸に従事する職位。
2. 「青島市外に本社・本部のある企業の青島支社」における届出手続を追加
青島市外の地域にある企業がすでに特殊労働時間制の実施について審査認可を受けており、その企業が青島に置く支社において同等の職位で特殊労働時間制を実施する場合は、支社の所在地の労働機関で届出手続きを行うものとします。
3. 再審査手続きについての内容を追加
特殊労働時間制にかかる審査認可の有効期間が満了し、引き続き実施する場合、企業は有効期間の満了日の30日前までに更新申請を行い、資料として前期間中の特殊労働時間制の実施状況、従業員の満足度調査にかかる書類を提出しなければならない。
4. 企業名又は職位名を変更した後、再審査を受けるための報告を行わなかった場合の法的責任について新たに調整
これまでは、企業名又は職位名を変更したにも拘らず再審査を受けるための報告を行わなかった場合には、従業員の労働時間制を標準労働時間制として処理することが規定されていました。これについて今回の『管理弁法』では、「まずは労働機関より是正を命じ(即ち、速やかに審査認可を受けるよう企業に求め)、期限を過ぎても審査認可を受けないか、認可を取得できなかったものについては、標準労働時間制として処理する」との規定に調整されました。
なお、新たな『管理弁法』は2016年7月1日より施行開始され、有効期限は2021年6月30日までとされています。2014年7月1日から2016年6月30日までの期間に、労働機関で特殊労働時間制の実施について審査認可が行われたものについては、原審査認可による決定が引き続き有効とされます。
作成日:2016年08月19日