最新法律動向

現行の労働契約法は生産性低下を招いているか 人社部で検討中

2月29日午前、国務院新聞弁公室は就労及び社会保障の問題についての記者会見を行なった。会見の際、人力資源社会保障部の尹蔚民部長は、昨今労働契約法が労働力市場のフレキシビリティを弱め、労働生産性の低下を招いているとの見方について、現在各界の意見を聴取しているところであり、より踏み込んだ検討と論証を行いたいとの意向を示した。

尹蔚民部長は次のように述べた。「労働関係を調節するうえでの中国の重要な法律である労働契約法が施行されて8年になるが、雇用者の労働者使用、労働者と雇用者双方の合法的権益の保護、調和のとれた労働関係の構築において成果を発揮してきた。施行の過程において若干の問題も生じているが、それらは主に次の2点に集中していると言える。1点目は、労働力市場が十分な柔軟性を持たず生産性が低下しがちなこと。2点目は、企業の雇用コストが嵩む点である。」

さらに、「経済の発展に伴い、新たな業態、新たな就労形態が出てきているが、こうしたことは労働契約法の制定当時においてはまだ見られなかった現象である。これらの問題について、我々は所管機関として現在積極的に研究を行っている。広く意見を求め、入念な検討と論証を行い、適時我々のコメントを発表していく。」と述べた。

財政部部長、「現行の労働契約法は生産性向上に不利」との見解

先ごろ開催された、「中国経済界50人による論壇」の2016年アニュアルフォーラムにおいて、財政部の楼継偉部長は、「労働力市場のフレキシビリティ及び全要素生産性」と題した講演の中で、次のように述べた。「現行の労働契約法には、長期契約の締結等といった規定に見られるような、企業に対する保護不足の問題が存在し、輸出型、OEM型の中国企業に適合しておらず、これがある程度労働力市場のフレキシビリティを硬化させる役割を演じている。一方で堅調な賃金値上げ等に関する規定は、労働生産性の成長を上回る賃金上昇をもたらすもので、生産性の向上にはむしろメリットがなく、中国の競争力を弱体化させる結果となる。こうしたことが重なれば、最終的に損害を被るのは労働者の利益である。」

(新京報より)

作成日:2016年03月14日