2人っ子政策の施行に当たって企業が注意すべきポイント
政策が施行された背景
80年代に出生率を抑制するため、中国政府は「一人っ子政策」を掲げ、特別なケースを除き、一組の夫婦は子供を一人だけ産み育てるように提唱してきました。しかし、最近中国でも高齢化の問題が日々厳しいものとなってきたため、人口構成を改善するため、 2015年12月27日、全人代常務委員会は『人口及び計画出産法』を改定し、2016年1月1日から、2人っ子政策が全面的に施行されることとなりました。
「全面的に2人っ子政策を提唱する」とは?
「全面的に2人っ子政策を提唱する」とは1組の夫婦が、都市か農村、地域、民族に関わらず、何れも2人目の子供を産み育てることができる政策を指しています。
『人口及び計画出産法』改訂のポイント
①2人目の子供の出産を全面的に許可
改訂前、特定の条件に適合している場合を除き、1組の夫婦は1人の子供しか産むことができませんでした。改訂後、基本法というレベルから「1組の夫婦は2人の子供を産むことができる。特定の条件に適合する場合、許可を受けて3人目の子供を産むことができる。」ことが明確に規定されました。
②出産休暇についての取り扱い
改訂前、1人目の子供を産んだ時、法に基づいて出産休暇を延長する待遇を受けることができました。改訂後は、1人目の子供を産んだ時か、2人目の子供を産んだ時かに関わらず、何れも出産休暇を延長する待遇を受けることができるようになりました。
③1人っ子奨励政策の扱い
改訂前、「1人っ子両親光栄証」の交付をうけている夫婦は、1人っ子奨励政策の恩恵を受けることができました。(一人っ子手当の支給)改訂後も、2016年1月1日迄に、自ら「1人っ子両親光栄証」の交付を受けて、2人目を産まないことを決定した夫婦に対しては、規定に基づいて1人っ子奨励に関する待遇を受けることができます。しかし、2016年1月1日以降、1人しか子供を産まないと決定した夫婦に対しては、1人っ子奨励政策の恩恵を受けられないことになりました。
④.結婚休暇の扱い
改訂前は、晩婚の条件に適合していれば晩婚休暇を取得できました。しかし改訂後は、晩婚休暇の規定が削除されました。
企業が注意すべき点
①『人口及び計画出産法』改訂後、当該基本法の改訂内容を着実なものとするため、中国各地方の政府機関は、地方の行政法規を制定しています。山東省でも2015年12月30日に『山東省人口計画出産条例改訂案(意見聴取稿)』を公布しました。企業におかれましても、引き続き地方の行政法規に関心を持たれるよう、お勧めいたします。また最新の国及び地方の法令の規定に基づいて企業内部の規則制度を改訂され、関連する労務管理(出産休暇、結婚休暇の手配等)を法令に適合するよう調整されることを、お勧めいたします。
②2人っ子政策が全面的に施行された後、2人目の子供の出産ブームが予想されます。企業としても、従業員が2人目の子供を出産する際、新たな法令に基づき、出産休暇を延長する必要でてまいります。そのため、特に女子従業員が多い企業に置かれましては、事前に女子従業員の2人目の子供出産の意向を把握し、職位の調整の手配をしっかりと行い、企業の正常な生産経営に影響を及ぼすことを避けられることを、お勧めいたします。
作成日:2016年01月20日